実践経営術エッセンシャル/第12回「貸借対照表で読み解くお金の集め方」

前回のコラムに引き続き、今回も決算書分析の内容をお届けします。前回の復習は、下記リンクよりご確認ください。

実践経営術エッセンシャル版 第11回「会社の成長と決算書の関係」

今回は、貸借対照表に注目した内容です。はじめに、貸借対照表の概要を確認しましょう。

●貸借対照表とは

貸借対照表は、企業(事業)のある一時点における財政状況を示す表です。表は左右に分かれ、右側を「資本の部」、左側を「資産の部」と呼ぶことがあります。資本の部(右側)は、集めたお金の内容を示したものです。一方の、資産の部(左側)は、集めたお金の使いみちを示したものです。貸借対照表は、左右の合計額が一致することから「バランスシート(B/S)」という呼び方があります。

●資本の部を細かく見る

本コラムは「お金の集め方」というテーマで、表の右側(資本の部)についてくわしく見ていきます。

【今回はお金の集め方を取り上げます】

資本の部は「集めたお金を示す表」と上述しました。この表は、借りたお金(他人資本)と自分で集めたお金(自己資本)のふたつに大きく分かれます。

自己資本のボックスは「会社の強さ」を表します。資本の部全体における自己資本の割合が大きい会社が「強い会社」ということです。すなわち、自己資本のボックスが大きいほど会社は倒産しづらくなります。一方、このボックスがゼロ以下になると「債務超過」となり、基本的には借入が不可能となります。

資本の部は、さらに細かく分けることができます。他人資本は流動負債と固定負債に、自己資本は資本金と剰余金に分かれます。他人資本のうち、流動負債は一年以内に返済する必要がある負債(借金)です。固定負債は、返済期間に一年以上の猶予があります。

自己資本のうち、資本金は自身を含む出資者のお金を意味します。剰余金は、これまでの事業による利益を意味します。つまり、創業時は剰余金がゼロということです。

【資本の部を細かく見る】

●集めたお金の内訳はB/Sを見る

新たにビジネスを始める時、まずは先立つものが必要になります。この先立つものがお金です。会社における「お金の集め方」は、大きく分けて次の3通りです。

このうち、①と③は返す必要がありません。ふたつは属性が似ているので、自己資本のボックスに入ります。自己資本の割合が高い会社が「強い会社」です。返済不要の自己資本を中心に資金繰りを行っており、経営が安定しているためです。

②は借金を意味します。つまり、返すことを約束しているお金です。これは、他人資本のボックスに入ります。ここで借金、すなわち他人資本を流動負債と固定負債に分ける基準は何でしょうか。

答えは「期間」です。決算書は一年ごとに作るので、今期中(一年以内)に返す予定なのか、それ以降(一年後より先)かによって分けます。ここから、流動資産は一年以内に現金が流出することを意味します。

借金をしたときは「金利」と「期間(返す時期)」に注目します。「金利」は損益計算書に反映されますので、ここでは「期間」について考えています。

決算書7つのルールその3…一年未満が「短期」、一年以上が「長期」の「一年ルール」

●借入金への考え方

特に日本では、借入金(借金)を良くないものとして捉える傾向があるようです。これは、債務超過や破産に対するイメージが影響しているのかもしれません。はたして、借入を悪とみなす考え方は正しいのでしょうか。

ビジネスにおいては、高い確率で利息以上の価値を生み出す借入を前向きに検討すべきといえます。なぜなら、借入金を元手にビジネスをして、その収益から借入金を返済することができるためです。

借入金は、返済までの期間によって価値が異なります。極端なことを言うと、今日借りて明日返す約束ならば、あまり使いようがありません。しかし、返済までにそれなりの猶予があるならば、選択肢を広げることができる強力な武器なのです。

たしかに、リスク管理は必須です。ご自身で勉強しなければならないこともたくさんあります。ただし、周囲にはサポートする協力機関が数多くあります。お金の集め方に困りそうな時は、お早めに協力機関へご相談することをお勧めします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント

お名前 *

ウェブサイトURL