実践経営術エッセンシャル/第11回 「会社の成長と決算書の関係」

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 「第十一回 会社の成長と決算書の関係」


【お金が2表を循環しながら会社は大きくなる】
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前回のコラムでは、決算書分析の概要についてご説明しました。
「実践経営術」エッセンシャル 第十回 決算書分析ことはじめ

本コラムでは、会社の成長と決算書の関係についてご説明します。今回、使用するのは貸借対照表と損益計算書の二点です(キャッシュフロー計算書については改めて解説します)。

はじめに、「財務三表」の概要をおさらいしておきましょう。

○貸借対照表(Balance Sheet、通称B/S):ある一時点の財政状況を示す表。左右をふたつに分け、左側に資産、右側に負債と純資産のボックスがある。
○損益計算書(Profit and loss Sheet、通称P/L):ある一定期間の経営成績を示す表。左右をふたつに分け、左側に費用、右側に収益のボックスがある。
○キャッシュフロー計算書(Cash-flow Statement、通称C/F):ある一定期間における現金(現金同等物)の流れを示した表。大きく「営業CF(キャッシュフロー)」、「投資CF」、「財務CF」に分けて集計する。

●経営とは、儲けるしくみを大きくすること
損益計算書にある当期純利益のうち、株主に渡らず会社へ残すことにしたお金があります。これは、貸借対照表の右側、純資産のボックスに「利益準備金」の項目として入ります。こうすることで当期純利益を企業内へ蓄積することになり(内部留保)、貸借対照表の右側(総資本)が大きくなります。

また、負債の利用でも貸借対照表の右側が大きくなります。銀行などから借り入れをすることにより、そのお金が負債のボックスへ入るためです。これは、長期であれば固定負債、短期であれば流動負債となります。

貸借対照表の右側が大きくなるほど、予算規模も大きくなります。予算が多いということは、より一層大きな「しくみ」づくりができる、という意味でもあります。この「しくみ」は、貸借対照表の左側(総資産)を大きく充実した内容にすることで表現できます。

より大きな「儲けるしくみ」ができ上がれば、損益計算書の「収益-費用=利益」というサイクルが、より一層ダイナミックに回ります。サイクルが力強いほど、利害関係者(ステークホルダー)の利益に対する期待はより一層大きくなるでしょう。そこで生じた利益の一部を再び内部留保すれば、貸借対照表はさらに大きくなります。

このように、お金は貸借対照表と損益計算書の2表をぐるぐる廻り、大きくなることを期待されているのです。これを戦略的にコントロールすることが『経営』です。

【お金の流れを把握することで会社は大きくなる】
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●儲けるしくみが小さくなると・・・
儲けるしくみを大きくする、ということは、「逆もしかり」と考えなければなりません。逆のケースとは、損益計算書において損失が出た場合、すなわち当期純利益がマイナスになった場合です。

マイナスになると純資産のボックスが小さくなるため、関連して貸借対照表の右側(総資本)が小さくなってしまいます。ボックスが縮小し続け、マイナスの積み重ねが資本金よりも大きくなると、純資産はゼロ未満になります。これが「債務超過」と呼ばれる状態です。

債務超過は自己資本がゼロ未満の状況にあるため、借入金だけで運営していることになります。このような状態で急に倒産するわけではありませんが、基本的に金融機関からの借り入れはできなくなります。すなわち、経営戦略の武器(選択肢)である「借入」が使えなくなるのです。

また、債務超過の状態では貸借対照表の右側(総資本)が小さいので、儲ける体制も小さくなります。そうすると、前述した損益計算書の「収益-費用=利益」というサイクルは小さくなっていきます。サイクルが小さいほど利益は悪化し、赤字が貸借対照表の純資産へ入るようになります。このマイナスのサイクルに陥ると、企業は思うような資金調達ができなくなります。最悪の場合が倒産という結果です。

●会社を大きくするために
経営が苦しい企業の多くで見受ける原因は、少しずつ小さくなっている「儲けるしくみ」にあります。よくニュースなどで、外部環境の急な変化や取引先の倒産などによる経営不振が報じられています。しかし、このような突発的な現象を原因として経営が難しくなるケースは少ないのです。

言い替えれば、経営の成否は企業内部の意思決定によって、ある程度はコントロールできるということです。中長期的に外部環境の動向を予測し、適切なタイミングで事業を見直すことにより、経営が存続する可能性は大きく高まります。当社が過去数回にわたりお伝えしてきた計画経営のコラムでも、経営戦略の考え方をあわせ持つ重要性をお知らせしています。
「実践経営術」エッセンシャル 第6回「経営計画のススメ」

一方で、経営者(経営層)が独自に事業を見直すことは難しいようです。その理由として、経営戦略の専門家が不在な点、期限や内容があいまいになりがちな点、客観的な検証が難しい点、などが考えられます。ぜひ、事業を見直す際は会計士や税理士、経営コンサルタントなどといった外部の専門家へご相談ください。

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