実践経営術エッセンシャル/第10回 「決算書分析ことはじめ」

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 「第十回 決算書分析ことはじめ」


今回は、決算書についてのコラムをお届けします。当コラムでは、過去3回にわたり現状分析の重要性をお伝えしてきました。各回の概要は次のとおりです。

○日々の経営に課題が生じたら、現状分析に戻りましょう。現状分析のポイントは7つあります。
 (第7回
○企業をとりまく環境のうち、コントロールできないものが「外部環境」です。
 外部環境を分析する際に、押さえておくべきポイントを4つご説明します。(第8回
○自分たちでコントロールできる環境が「内部環境」です。
 内部環境の分析に検討すべき項目として、「3つの資産」があります。(第9回

●決算書のイメージと誤解

現状分析をするうえで欠かせないツールが決算書です。決算書の分析は、定量分析を代表する手法のひとつです(定量分析については第9回を参照)。数字から現状を読み解くことで具体性が増し、行動と結果の仕組みを数字の変化で捉えることが可能になります。

決算書が読めるようになれば、経営の現状をより具体的にとらえることができるようになります。また、時系列で比較することによって、これまでの傾向を知ることもできるようになります。さらに、今後のアクションや進む方向性に対するヒントを得る、具体的な計画を作ることができるなど、様々な利点があります。

決算書を読むことに対する一般的なイメージは「難しそう」というものです。ただし、決算書は「誰にでもわかる」ことを前提に作られており、基本的な部分さえ理解してしまえば分析の大部分を進めることが可能です。

●決算書を読み解くルール

当社では、決算書を読み解くための便利なルールとして、次の7点をお伝えしています。

≪決算書7つのルール≫

(ルール1)決算書はお友達
(ルール2)表は決して単独で見ない
(ルール3)一年未満が「短期」、一年以上が「長期」の「一年ルール」
(ルール4)大事なものは前へ、上へ
(ルール5)数字には根拠があるので、それを把握する
(ルール6)大きなものから管理する
(ルール7)「特別」は「今回だけ」ということ

(ルール1)決算書はお友達
難しいイメージを持たれがちな決算書ですが、実際は経営を簡単に理解するための便利な道具であり、強い味方といえます。初歩的な知識をもち、聞きなれない言葉に慣れさえすれば、頼れる「友達」として長く付き合うことができます。

(ルール2)表は決して単独で見ない
決算書のうち、主に使用するものとして「財務三表」と呼ぶ三つの表があります。これは貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の三つを指します。決算書は役割によってそれぞれの表に分かれていますが、お互いが連動しながら「お金の流れ」を表現しています。

(ルール3)一年未満が「短期」、一年以上が「長期」の「一年ルール」
企業の会計は、原則として一年間の区切りを設けます。そこで、時間の長さを表現する際に一年未満を「短期」、一年以上を「長期」とします。こうすることで、企業の内実がより細かく理解できるようになります。

(ルール4)大事なものは前へ、上へ
決算書は誰にでも分かるように作られており、表の並び方や科目の配置にも意味があります。表の並び方については、重視する情報が先に掲載されています。財務三表に限定すると、その並び方は①貸借対照表、②損益計算書、③キャッシュフロー計算書の順となっていますが、これは貸借対照表が最も重視されていることを意味します。また、科目の配置については「お金にしやすい」順番に並べてあります。貸借対照表「資産の部」、流動資産の項目であれば「現金及び預金」「売掛金」「有価証券」・・・と並んでいるのは、上にあるほど「お金にしやすい」ためです。

(ルール5)数字には根拠があるので、それを把握する
決算書に記載のある数字はすべて、その値へ行き着くまでの理由があります。たとえば、売上高であれば客数、客単価、月別の動向、季節変動などが影響します。このように、それぞれの数値にいたるまでの背景を意識しておくことが重要です。

(ルール6)大きなものから管理する
大きな数字の項目や業界特有の項目、重要な項目などを優先して把握するようにします。たとえば、中小企業であれば本業が重要なので「営業利益」を優先して把握します。一方、大企業であれば本業以外の収支も影響するので「経常利益」の優先度が上がります。決算書に関する数字をすべて把握することは非常に困難です。これは、企業の規模が大きくなるほど難しくなります。数値を把握するために、本業がおろそかになることは避けなければなりません。

(ルール7)「特別」は「今回だけ」ということ
決算書を見てみると、「特別」ということばを見かけます。この「特別」とは「今回(今年)だけ」に起きる出来事を意味します。たとえば、特別利益であれば不動産の売却などが該当します。また、特別損失であれば訴訟で発生した損失などが該当します。

●決算書分析のすすめ

難しそうなイメージから、決算書分析を避けようとするケースを多く見かけます。しかし、実際は気軽に始めることができるものです。分析から得る内容は、事業の成長に成果をもたらします。ぜひ、取組みを始めて事業の成長を後押ししましょう。

 

 

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