「実践経営術」エッセンシャル/第9回「内部環境分析」

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 「第九回 内部環境分析」


内部環境を分析する際は、「戦略資産」と「商品・サービス」を分けて考えることが重要です。資産とは「会社がもっているもの」であり、計画経営においては「戦略資産」と呼びます。また、「商品・サービス」は企業とお客様をつなぐ媒介として重要な役割を果たします。

今回は、内部環境分析の方法として戦略資産を構成する有形資産、無形資産、人的資産の3つについて学びます。また、商品・サービスの現状を分析する方法を学びます。

内部環境とは

外部環境は「自分たちが置かれた状況」であり、コントロールできない「戦略のための参考情報」です。対して内部環境は、これから戦略としてコントロールしていくべき「自分たちの状況」です。

外部環境も重要ですが、外部環境分析だけで行動は生まれません。分析した外部環境を参考にして、内部環境をどのようにしていくのかを考えるのが戦略です。自社の業績が不振な理由に外部環境の要因ばかり並べる経営者を見ることがあります。彼らは、「日本経済が不振でどこも景気が悪いから仕方ない」とか「原材料がこれほど上がってしまってはどうにもならない」などといいます。しかし、これは自分を取り巻く外部環境分析ができているにすぎず、「何をすれば良いか」という肝心要の部分が抜け落ちてしまっています。原因は、内部環境分析がないからです。

内部環境分析は、定量的、定性的な観点から進めていきます。定量とは分析対象を数値で表現することです。物事を具体的に表現することができます。定性とは質をことばで表現することです。雰囲気や感覚を抽象的に表現することに向いています。ビジネスにおいては、定量と定性をセットで使うことが重要です。

戦略資産分析

はじめに、内部環境のうち「資産」について考えていきます。内部環境=戦略資産と言っても過言ではありません。この資産、すなわち戦略資産は「有形資産」「無形資産」「人的資産」から構成されます。それぞれの項目について具体的に考えていきましょう。

【3つの戦略資産】

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有形資産
有形資産は、文字通り形のある資産です。現預金、売掛金などの金融資産、在庫(商品、原材料)、機械設備、建物、土地などが該当します。見ることができるので、顕在化しています。

また、有形資産は貸借対照表に記載されているので、貸借対照表を見ることにより認識できます。有形資産が戦略的に価値あるかどうかは「現在の売上に貢献しているか」「将来の売上に貢献できるか」で判断します。

中小企業・小規模企業の有形資産は、大きな企業と比べた場合どうしても不利になってしまいます。現在使えていない有形資産の有効活用、現在所有する有形資産の再配分をすることで付加価値が創造できるかを考えます。

無形資産
無形資産は、形のない資産です。ソフト、特許権、営業権などの権利、情報、ネットワーク、信用・実績、ブランド(のれん)などが該当します。見ることができないので、潜在化しやすいのが特徴です。

また、貸借対照表にも一部分しか載らないので、改めて書き出すなどして顕在化する必要があります。中小企業・小規模企業において無形資産は認識されていない部分が多くあります。認識し、それを使った戦略を考えることでイノベーションにつながるかもしれません。

特に、過去の実績はイノベーションに使えることが多い割には見逃されがちなので、しっかりと分析しておきましょう。無形資産は大企業に比べるとやはり少ないのですが、有形資産と比べて認識するかどうかで使える量が大きく変わります。そのため、比較的小さな企業でも武器になりえる戦略資産です。

人的資産
特に意識しなくてはならないのが人的資産です。人的資産とは、人自体、または人に関する資産です。具体的には経営者(の能力)や後継者、中間管理職、従業員、組織、人事制度、モチベーションなどが該当します。「ビジネスは人なり」と言うように、人に関することはビジネス上で戦略資産として非常に重要な項目となります。なぜなら、人的資産はすべてをお金で調達することができないためです。一方で、貸借対照表の資産としては書いてありません。これは、計測やコントロールが非常に難しいことを意味します。

商品・サービス分析

続いて、現状の商品・サービスについて見える化していきます。

まず、現在持つ商品・サービスの特徴(強み、課題)を書き出していきます。強みはその商品・サービスの売り文句となりますので、ちょうどチラシを書く要領です。お客様に何を伝えたいのかを考えましょう。

また、課題も明確にしておくと今後の戦略に役立ちます。良い商品であってもトレードオフの関係になっている課題もあります。例えば「この商品は非常に良い品質なのだけど、逆にその品質の良さがお手軽感をなくしている」と言ったことです。

あわせて、品揃えについても考えておきましょう。特に「現在主力となって主な売上や利益を上げている商品・サービス(キャッシュ・カウ)」と「計画的に販売量を減少していき、ゆくゆくは撤退したり意図的に売れなくしたり(計画的陳腐化)する商品・サービス」を明確にします。

パレートの法則(20%の商品で80%の売上をカバーしている)を考えても、売上や利益において上位「商品・サービス」を把握することは非常に重要です。なぜなら、上位「商品・サービス」が現在のビジネスの軸となっているからです。

しかし、これらの商品・サービスが今後も私たちのビジネスを支えるとは限りません。売れ筋ですので、すぐに止めたり変えたりはできませんが、基本的には変わり続けなければ現状維持ですら難しい時代です。

また、収益性が悪化していたり、売るべき商品の障壁になったりして、(現状すぐには無理でも)ゆくゆくはなくしていきたい、なくしていくべき商品・サービスも明確にしておきます。イノベーションは基本的に、新たな商品・サービスを導入する方向で進みます。そのため、導入する分の商品・サービスを減らさなければ、アイテム数は増え続けることになります。

商品・サービスのアイテム数は、売れ行きがにぶくなっても、年に1個だけ売れ続けるなどしてなかなか「ゼロ」にはなりません。「売れているうちは売る」ということでは、生産性や効率が大幅に落ちてしまいます。なぜなら、在庫リスクが生じてしまったり、付加価値が下がった商品・サービスを提供することで顧客満足が下がってしまったりするためです。

したがって、意図的に売れなくする(計画的陳腐化する)商品・サービスを明確にすることはとても重要です。

【現状の品揃えにおいて意識するもの】sinazoroe

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