「実践経営術」エッセンシャル/第6回 「経営計画のススメ」

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 「第六回 経営計画のススメ」


いくら良いアイデアがあっても実現するための道筋、すなわち計画がなければ成功確率は上がりません。事業計画(ビジネスプラン)はどのように立てればよいのでしょうか。

 

■計画経営をするべし

イノベーションはただ単純に変化していれば良いというものではなく、一貫した根拠、すなわち、戦略性が必要です。仮説・実行検証・ノウハウ化サイクルを回しながら、確実にスパイラルアップしていく経営を「計画経営」と言います。また、経営者の考えを「見える化」し、顕在化するものがビジネスプランです。これは、仮説・実行検証・ノウハウ化サイクルで言うところの「仮説」となります。ビジネスプランは、私たちがビジネスを行っていく上で地図のような役割を果たします。また、ビジネスプランは事業全体についてまんべんなく考えるきっかけとなり、それを作成することで新たなアイデアを得たり、時には思わぬリスクに気付き改善につながったりします。さらに、ビジネスプランは相手に自分の考えを伝えるツールとしても使えます。経営は一人では行えません。従業員、顧客、取引先、銀行等、協力を求める人が必ず存在します。そこで、ビジネスプランを実際に紙に落とし込んでいれば実行へと移すきっかけとなります。

 

■フレームワーク

ビジネスプランを作るうえで、最も注意しなければならないのがバランスです。得意なところ、関心があるところだけを考えるのではなく、その構成要素をまんべんなく、もれなく考えなければなりません。そのうえで、ビジネスプランは各種ひな形が設定されているのですが、このように構成要素を考え、「漏れなくダブりなく」(MECE;ミッシー;Mutually Exclusive Collectively Exhausive)考える手法がフレームワークです。アイデアは無から有を創造する行為ですので、正解を学ぶことはできませんが、フレームワークは学ぶことができます。

ビジネスプランもフレームワークを使って考えることができます。いわゆる「ひな形」と呼ばれるものです。しかし、ビジネスプランのひな形は金融機関など様々なところがオリジナルのものを出していて統一されたものがありません。そこで、基本に戻って考えてみましょう。ビジネスプランは経営をする上で使うツールです。経営をサポートするツールである以上、ビジネスプランに書かれなくてはならない内容は、ビジネスを推進していく上で「必要な項目」、「予め決めておかなければならない項目」と言うことができます。したがって、ビジネスプランのフレームワークを考えるということは、「ビジネスにおいて重要項目は何か」を考える事と言えます。

 

■ビジネスプランの基本形

下図は時間と売上高を軸にした経営について必要な要素を表しています。この図を使って、ビジネスプランに必要な要素を考えていきましょう。

 

【ビジネスプランの基本概念図】     1-1挿入図_ビジネスプラン基本概念

 

■現状とビジョン

ビジネスプランは将来の経営について書いていくものですが、その中で唯一確定しているのが「現状」です。現状とはビジネスプランのスタート地点のことで、自分たちで何とかなる部分の「内部環境」と自分たちではどうにもならない部分の「外部環境」に分けて考えます。外部環境は戦略を考える参考となり、内部環境は実際にどうするのかを考える項目だからです。内部環境はスタート地点での「自分たちの状態」であり、外部環境は置かれた環境ですので「背景」となります。そして事業の行くべき方向性である「ビジョン」を明確にします。ビジョンとは「いつかこうなりたい」というイメージで、「目的」、「狙った効果」ということができます。また、期間中のゴール、すなわち期間終了時点のありたい状況を「目標」と言います。目標とビジョンの違いは、期限があるかないかです。

 

■ビジネス・コア

現状、ビジョン、目標が定まったら、「ビジョンに向かうために現状と目標の差をどのように埋めるのか」を考えます。その実現に向けての行動の中心(ビジネス・コア)となるのが「商品・サービス」です。全てのビジネスが商品・サービスを媒体にしてお客様へ価値を伝えるからです。商品・サービスが優れているほど、ゴールに到達する確率が上がります。商品の優劣は、「どのくらいの価値を創出することができるのか(付加価値)」と「どのくらいの独自性、特長をだすことができるのか(差別化)」の2項目において考えていきます。また、「価格の付け方」「利益の出し方」や「お金のもらい方」である「課金モデル」や「商品や原材料の調達の仕方」や「商品の生産の仕方」「サービスの実施方法」である「生産・調達」についても、どのような付加価値、差別化を持てるのかを考えていきます。

 

■マーケティング

続いて、商品・サービスを販売するために「マーケティング」をしていきます。マーケティングとは、「どのようなにしたら自分たちの商品・サービスが売れ続けるしくみができるのか」を考えることです。マーケティングは「お客様」と「販売(行動)」から成り立っています。お客様については、「市場」を参考に「ターゲット」を定め、その「キモチ(ウォンツ・ストレス)」や消費行動・傾向を分析します。ターゲットを設定した段階で販売行動がイメージできるほど明確にターゲットを設定する必要があります。販売行動については、ターゲットに向けてのアプローチ方法である「チャネル(販路、場所・時間)」と、そこでの「販売促進」や販売後の「アフターフォロー」について考えます。

 

■実施体制と理念

さらに、本事業を「実施するための体制(実施体制)」を考えます。考える際は、「ヒト」「モノ」「カネ」を適切に構築します。実際に事業を動かす為の人の採用・育成をし、組織を組み、設備や資産を整え、資金を調達します。これらは全て新しく調達するのではなく、できる限り現状分析で明らかになった資産を再構築し有効活用することが肝心です。また数値計画を立て、ビジネスプランを数値で検証したり、行動計画に落とし込んだりすることで実現可能性を上げていきます。ここが具体的に考えられているかによってビジネスの成功確率(実現可能性)が変わってきます。ここまでが事業の構成要素ですが、企業家は事業モデルが出来上がれば何でも行動するわけではありません。その事業をやるかやらないかの肝心となる基準が「経営理念」です。経営理念と照らし合わせ、考えたプランが魅力的かつ、その範疇に入っているときのみ、事業は実行されます。

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