「実践経営術」エッセンシャル/第4回「経営理念の重要性」

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 「第四回 経営理念の重要性」


経営理念の重要性はなんとなくわかっていても、「本当に理念を持つことで会社経営に優位になるのか」「経営理念をどのように使えばよいのか」がはっきりとしていないかもしれません。そこで、今回は何のために経営理念を作るのか、どのように使えばよいのかを学びます。

 

■お金以上のパワー

イノベーションには困難がつきものです。困難を乗り越えるにはつらいこともやり遂げるという強い信念がなくてはなりません。「何のために経営しているのか」、「自分たちの存在理由は何か」を明確にしておく必要があります。事業を行う目的の一つがお金を得ることであることは否定しませんが、お金のためだけでは乗り越えられない苦難もあるでしょう。また、お金で得たモチベーションには限界があり、長くは続かないものです。したがって、お金へのモチベーション以上の強いパワーが必要となります。それが経営理念です。

 

■経営理念とは①

経営理念とは、私たちが腹の底から思う強い気持ちで、私たちが事業を営む根幹です。自分たちの「存在理由」、「あり方」とも言えるでしょう。もし、経営理念が明確になっていなければ、自分(達)のモチベーションを向上させたり維持させたりすることは不可能なばかりでなく、組織としてまとまって一つの目標に突き進む理由が無くなり、組織が崩壊してしまう危険性もあります。外部的にも同様のことが言えます。経営理念を明確にすることにより、ステークホルダー(利害関係者;金融機関、株主等)や支援機関などの協力が得やすくなります。また、経営理念が優れていれば、社会的役割も明確になり、対外的に評価が高まるかもしれません。したがって、企業のブランド育成にも効果があります。

 

■経営理念とは②

また、経営理念は、私たちが行う事業範囲とも言えます。経営理念の中に入っていない事業は、いくら儲かるとわかっていても手を付けてはいけません。イノベーションは「変わり続ける事」ですが、やみくもに変わっていってしまってはコンセプトが明確でなくなり内外的に問題を抱えてしまいます。そこで経営理念を明確化することにより、それが事業の軸となり事業範囲や社会的役割が明確になります。そのため、経営の意思決定がしやすくなったり、経営のぶれが少なくなったりします。経営理念は企業にとって最も大切なもの、かつ重視しなければならないものです。そこで、経営判断に迷った時は、最終的には理念に合っているかどうか、すなわち「経営理念に問う」ようにします。さらに、組織内で浸透させることにより、「やるべきこと」「やってはいけないこと」を共有するので、いちいち管理や指示をしなくてもよくなることが期待できます。管理コストが低減できたり、ある一定範囲内で自ら考え行動するので、適切な判断のできる人材育成にもつながったりします。経営理念は、ある意味で事業リーダー(社長)よりも尊重されるものであり、最終的な意思決定の基準となります。意思決定の基準、いつでも戻って来ることができるホームのようなものです。

 

■7つのメリット

以上のことから、経営理念を明確にする理由、すなわち経営理念のメリットは次の7つと言うことができます。いずれにしても経営理念は経営にとって重要事項であり、これらのメリットが受けられることから企業経営に必須と言うことができるでしょう。

≪経営理念をつくる7つのメリット≫

  1. 組織や経営者自身のモチベーションアップ、もしくは維持のため。
  2. 「錦の御旗」として掲げ、組織がまとまるため。
  3. 様々な人の協力を得るため。
  4. 企業ブランド価値を向上させるため。
  5. 一貫性のある意思決定をしやすくするため。
  6. 管理コスト(企業統制コスト)を低減するため。
  7. 自ら考え行動する人づくり(人材育成)を促進するため。

 

■経営理念は変えても良い

このように、経営理念は企業の根幹をなし、非常に重要なものです。しかし、経営をしていくと外部環境が大きく変わったり、考え方や価値観、組織が大きく変わったりして、既存の経営理念と大きな乖離が生まれるかもしれません。経営理念をコロコロ変えていては、企業の軸が定まらないので問題がありますが、どうしても環境変化に対応できないほどの大きな変換期には、内部環境、外部環境を考え、よく検討を繰り返し、時代や経営者と共に、経営理念を変えることも必要です。事業承継時には、先代までの考え方を踏襲しつつも徐々に自分の考え方を加味した経営理念に進化させていけば良いのです。経営理念は必ずしも変えてはいけないものではなく、場合によっては見直しも必要なのです。特に事業承継時や経営の大きな転換期にはもう一度基本に立ち返って理念と向き合うことが重要です。その結果、基本を思い出すこともありますし、また、理念を変え、今までと異なった経営へのきっかけともなるでしょう。

 

■経営理念の作り方

経営理念を変えよう、作ろうと思っても、なかなか思うように作れないこともあるでしょう。「何がしたいのか」、「存在理由は何か」と言われてもなかなか出てこないかもしれません。そこで、まずはいくつかの事例を見て、検証しながら自分たちの考えをまとめいくことが経営理念を作成する近道と言えます。たくさんの事例に触れ、どれに共感できるか、どれに違和感を覚えるか、自分自身に問いかけてみましょう。共感できる文章、フレーズを集め、または共感できないものの理由や対極にあるものを考えれば、自分だけのオリジナルな経営理念が見えてきます。多くの経営理念を見ていくと「民間企業は確かに営利目的で作られているが、営利だけでは成り立たない」ということに気が付くでしょう。様々な企業がそれぞれの経営理念に従って創られ、発展していることが伺えます。まずは仮の経営理念でも構いません。仮説を立て、朝礼や会議、社内教育等、実際の経営の現場で使い、経営しながら検証し修正していけば、ゆくゆくは本物の経営理念ができます。

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