「実践経営術」エッセンシャル/第3回 「売上を上げるための基本的な考え方」

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 「第三回 売上を上げるための基本的な考え方」


イノベーションの目的は何といっても「売上を上げること」です。ここでは売上を上げるための基本的な考え方について学びます。イノベーションにおける最大の目的は売上を上げることです。しかし、これが非常に難しい。ただ、売上を上げる基本的な考え方は非常にシンプルなので、この基本形に戻りながら様々な手段を考えていけば高確率に結果を残すことができるはずです。

 

■売上を上げるための4つのエンジン

「売上高」は「客単価」と「客数」の積です。また、客単価は「買上商品平均単価」と「平均買上点数」の積、客数はお客様の頭数である「顧客数」と「購入頻度」の積で考えることができます。

売上高=   客単価     ×     客数

   =商品単価×買上点数×顧客数×購入頻度

したがって、売上を上げるためには、「商品単価」「買上点数」「顧客数」「購入頻度」という4つのエンジンがあって、どれもゼロにせずにそれぞれを上げるためには何をすべきかを考えれば良いと言えます。「こんな簡単なことを今さら何だ」と思われるかもしれませんが、これが実行できずに多くの経営者が悩んでいるのです。

 

トレードオフの関係

では、なぜこんな単純なことに多くの経営者が苦労しているのでしょうか。それは、これら4つの項目において「トレードオフの関係」が成り立っているからです。トレードオフの関係とは、いわゆる「あっち立てればこっち立たず」の関係です。

例えば商品単価を上げた場合、お客様の買上点数は当然少なくなるし、高い商品を買えるお客様は少ないので顧客数は少なくなります。また、高い商品は安い商品に比べ購入頻度は大きく落ちます。

買上点数を上げようと思えば、店頭やレジエンドなどに比較的買いやすく安価な商品を置くので商品単価は落ちますし、多く買ってもらえるお客様に重点を置かざるえないので、顧客数はどうしても減ってしまいます。一度に多く買えば購入頻度は下がってしまいます。

顧客数を増やそうとすれば、安い商品の特売をしたりするので客単価は落ちますし、一品しか買わないお客様も呼ぼうとします(それどころか1個の半分からの販売をした例もあります)から買上点数も下がってしまいます。観光客など、次にいつ来ていただけるか分からないお客様も得ようとするので購入頻度も下がってしまいます。

購入頻度を上げようと思えば、来店動機用に特売商品を用意し単価が下がったり、毎日来てもらうために一回の買い物量が減ってしまって買上点数が下がったり、毎日でも来ることができる近所のお客様を優遇することになるので自ずと顧客数は限定されてしまいます。

このように、それぞれがトレードオフの関係が成立してしまうため、なかなか前に進めなかったり、売上を上げようとして何か行ってもそれが正しいのかどうかわからなくなったりしてしまうのです。

 

4つのエンジンの活用しかない

しかし、「売上高=商品単価×買上点数×顧客数×購入頻度」という計算式が成り立つ以上、売上を上げるにはこの4つのエンジンの活用しかないのです。これが売上を上げる唯一の方法なのです。したがって、売上を上げるためには、トレードオフによる一進一退を繰り返しながら、もがきながら、失敗しながらも、「どのようにしたら平均商品単価を上げることができるのか」「どのようにしたら平均買上点数を上げることができるのか」「どのようにしたらより多くのお客様に求められるのか」「どのようにしたらもっと頻度良く売れていくのか」を考え、トライし、この4つのエンジンを最大活用するための努力を続けていかなければなりません。

売上を上げる4つのエンジン

 

【4つのエンジン活用例】

(商品単価を上げる)

① 高くても売れる「付加価値の高い」「差別化の明確な」商品・サービスにシフトする。

② 高い商品を買うお客様にシフトする。

(買上点数を上げる)

③ お客様一人ひとりに一品でも多く買ってもらう。

④ まとまった量(数)を一気に販売することを考える。

(顧客数を上げる)

⑤ お客様の幅を広げるなどして新規のお客様を獲得する。

⑥ 既存客に今までと違った属性の商品を買ってもらうようにする。

(購買頻度を上げる)

⑦ お客様の購買頻度、来店頻度を高める方法を考える。

⑧ 顧客ロイヤリティをアップすることで、お客様より確実に買ってもらえるようにする。

 

4つのエンジンの1つを使っていないだけ

ビジネスモデルの中には安売店や会員限定のものなど、これに該当しないように見えるものもあります。それらのビジネスモデルは4つのエンジンのうちの1つを最初から捨ててしまい、残りのエンジンをフル活用しているモデルなのです。例えば「安く売る」と決めたモデルは4つしかないエンジンの一つ(商品単価を上げる)を最初から消し、3つで勝負をかけているモデルです。間違いではありませんが、残りの3つのエンジンを最大活用できなければ成功しません。同じように、一品で勝負しているラーメン屋さんは、比較的高めの商品をとても多くのお客様に何度も来てもらえるようなビジネスモデルを有しています。会員制の旅館は、往々にして高級であり、お歳暮商品の販売など様々な事業を持ち、年間クーポン券など会員が頻繁に使うような「しくみ」を持ちます。住宅販売メーカーなどお客様の購入頻度が少ない業種では、当然高価な商品が多いですし、メンテナンスなど住宅を購入したお客様がさらに買える商品数を増やし、いつでも新規顧客を探し続けています。

現代経営において「これをやれば確実に売上が上がる」というモデルは存在しません。トレードオフの関係の中、成功と失敗を繰り返しながら、最適な組み合わせを考えていくしかないのです。だからどの経営者も苦しみながら努力し続けているのです。

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