「実践経営術」エッセンシャル/第2回「イノベーションとは何か」

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 「第二回 イノベーションとは何か」


近年イノベーションって言葉をよく耳にします。なんとなく変化とか、改革、革命のようなイメージがありますが、同じような言葉で「カイゼン」と何が違うのでしょうか。なぜカイゼンではなく、イノベーションなのでしょうか。特に中小企業の経営におけるイノベーションってどのようにとらえれば良いのでしょうか。

 

 

■現代経営に求められる手法

今までは進みながら課題や問題点を発見し、それを修正しより良いものにしていくことで経営が進みました。しかし、現代経営では、あるべき姿(ビジョン)へ向かっていく途中に乗り越えられないような大きな壁や抜本的問題にぶち当たることも増えてきました。しかも、その壁は一昔前よりも、大きく険しいものになっているかもしれません。今までのやり方を工夫しながら一生懸命やっているだけでは突破できないことが多くなりました。また、今までと同じやり方では、根本的原因を直すことができないかもしれません。そこで、日常行っている課題を抽出し問題解決していく「カイゼン」だけでなく、本質的に根本的にビジネスを変えていく「イノベーション(変革、革新)」が必要とされてきたのです。現代のような成熟社会での企業経営では、一昔前のような成長社会での企業経営とは異なる手法が求められるのです。

 

■イノベーションとカイゼンの違い

今までやってきた方法(商品・サービス、ビジネスモデル)を工夫し、「より良く、より安く、より速いものにしていくこと」を「カイゼン」と言うのに対し、今まで取り組んでこなかったような新たな取組みを通じ、今までとは異なったもの(新たな商品・サービス、ビジネスモデル)を創り出していくことが「イノベーション」です。カイゼンは主に経費の見直しやコスト削減を行うことで、工夫してより良い商品・サービスにしたり、効率を上げて困難な作業を減らしたり、早くできるようにしたりすることを目的としています。一方でイノベーションは、それらに留まらず、商品・サービスまたはマーケティングにおいて強烈な付加価値や差別化を打ち出すことで、「生産性(利益)を上げること」を目指します。

 

■イノベーションは経営のリズムを変える事

今までと違う道を進み、劇的に根本から変えていくと言っても、イノベーションはそれほど難しいことではありません。今までのビジネスを全否定し、全て壊し、一から全く別の新たなものを作り上げるわけではありません。むしろ、そんなことをしてしまえば、成功確率が低くリスクの大きなものになってしまいます。特に中小企業におけるイノベーションは「経営のリズムを変えること」と言うことができます。例えば、不健康な方が健康になる過程において生活のリズムを変えるように、何か小さなルールやちょっとした取組みを取り入れたり、普段行っていることの順番を変えたりすることで、大きな変化と効果を呼び込むイメージです。

 

■ちょっとしたことでも始められるイノベーション

イノベーションは決してリスクが大きく破壊を伴う創造だけではありません。むしろ、なかなか気が付かなかったけれど、注目し、実行してみれば、みんなを幸せにする行動なのです。外部環境、とりわけ、経済環境が安定しない現代、ひと昔のような、良い商品・サービス、特殊な市場・人脈、特殊な設備や人材など、いわゆる「儲けのネタ」があるというだけでは、仮に一時は売れたとしても、長いスパンで見ると成功する確率はそう高くはありません。経営者にとって、同じことをまじめに一生懸命やっているだけではみんなを幸せにできない時代なのです。イノベーションはちょっとしたことでも始められます。将来に役立ちそうなことを戦略的に考えて、新しいことを経営に取り入れるのです。今こそイノベーションへの第一歩を、勇気を持って踏み出すのです。

 

■本格的なイノベーションに挑む前に

本格的なイノベーションに取り組む前に、まずはコストを見直し、余裕を作り出すようにします。もちろんコストの削減だけでは思ったような金額にならないかもしれません。しかし、コストを見直すことで、内外的にイノベーションへの姿勢を見せることができますし、時間や手間を削減することによりイノベーションへの余裕が生まれます。さらに大きいのは心理的部分です。比較的簡単で短期間のうちに、効果の見込めるコスト削減の「小さな成功(結果)」が出ることにより、心が軽くなります。モチベーションも上がるでしょう。そうすれば売上・粗利益を上げる行動であるイノベーションに挑戦しやすくなります。

 

■4つのコスト

コストというと「原材料費」や「人件費」、「エネルギー代」、「機械代(減価償却費)」など、「お金」で計算できるものを考えがちですが、私たちが投下しているコストは何もお金だけではありません。業務を遂行するのに時間をかけていますし、正社員が定時内で行う業務のようにお金をかける量は同じでも手間の多少はあります。また、同じ業務をやるのであっても、雰囲気の悪い職場では、心理的負担が大きくなっていますし、やりたくない仕事をする場合も心に大きな負担をかけています。実は、これらは全て「コスト」なのです。私たちが使っている費用(コスト)は、「金銭」だけではなく、「時間」「労力(手間)」「心理」の4種類があります。

 

■トータルコストを下げる

仮に金銭コストを直接下げられなかったとしても、残りの3つのコストを下げることができればトータルコストを下げることができます。例えば、同じ効果を上げるのに「より早く(時間コストの削減)」、「より手間をかけず(手間コストの削減)」することにより、生産効率や販売効率が上がり、付加価値を上げるための業務ができたり、結果的に金銭コストが下がったりします。また、「楽しく、安心して(心理コストの削減)」行うことで、より多くの生産量を望めたり、人員が辞めてしまうリスクの防止にもなり、採用費用や福利厚生費などの金銭コストの削減になったりします。コストはトータルで見ていきます。トータルコストが下がることで、イノベーションの余裕ができます。例えばイノベーションの重要性を理解しつつも、時間が取れなかったり、心理的余裕がなかったりする場合は、それらの余裕を作り出すことから始めてください。たとえ小さな変化でも兆しが見えればイノベーション成功の確率は大幅に上がるはずです。まず簡単に「カイゼン」を実施し、その後本格的なイノベーションに挑んでいくのです。

 

 トータルコストの削減  

    

 イノベーション 

 

 

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